研究職の業務って?日常業務の全貌解説!

研究職の業務って?日常業務の全貌解説!

皆さんは以下のような悩みはありませんか?

・研究職っていまいち仕事内容がわからないな…
・実験以外にはどのような仕事をしているの?
・周りに気軽に聞ける人もいないし…

私も学生の時はザックリとしたイメージしか持てていませんでした…

大手化学メーカーの研究として約10年働いてきた私が、研究職の仕事内容についてご説明します

研究職の業務内容について気になる方は、ぜひ最後まで見ていってくださいね。

目次

研究職の業務まとめ

研究職の日常業務をまとめると以下の通りです。

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業務項目内容
実験研究職のメイン業務。実験計画の作成、実験の実施、データ解析、報告書のまとめなど、実験だけでなく準備から報告までの一連の業務が求められます。
会議研究部内での実験結果の報告はもちろん、営業部や技術部など関連部署との会議も必要に応じて設定され、目的に応じた報告が必要になります。
ユーザー面談自らが開発・改良したサンプルの評価をユーザーに行っていただくため、ユーザーと面談して提供するサンプルの説明やニーズを聴取し、今後の実験に活かします。
法規/安全事故を起こさないように使用する試薬の安全性の確認や、サンプルを社外に送付する際のSDSの作成や関連法令の確認などを行います。
特許開発したものが他社に模倣されないため、特許を出願して権利を守ります。反対に他社にすでに特許を出願されていないかを確認します。
その他業務に必要な資料作成や各種研修への参加、また与えられた役割の遂行(〇〇委員)など上記に収まらない業務もあります。

では、それぞれについて見ていきましょう。

実験計画の作成と実施

研究の目的を明確にする

研究職では、明確な研究目的の設定が成功の鍵です。

研究の目的を具体的にすることで、実験の方向性が定まり、効率的に進行できます。目標を設定する際には、どの問題を解決するのか、どのような成果を期待するのかを明確にし、その目的に合わせた実験計画を立てることが重要です。

また、目的が明確であれば、研究の進捗状況を評価しやすくなり、必要な修正も迅速に行えます。

実験の仮説と目標の設定

実験を行う前に、仮説を立てることは研究の基本です。

仮説は研究の出発点であり、どのような結果を得たいのかを示します。この仮説を基に、具体的な目標を設定し、どのようなデータが必要かを決めます。

目標設定は、実験の計画や方法に大きな影響を与えるため、慎重に行うことが求められます。また、目標が達成できるかどうかは、仮説の正確性と実験の設計によって決まります。

実験材料と方法の選定

実験の成功には、適切な材料と方法の選定が不可欠です。

材料の選定は、研究の目的や仮説に基づいて行います。適切な材料を選ぶことで、実験の再現性が高まり、データの信頼性も向上します。

方法についても、実験の目的に応じて最適な手法を選択し、実験の手順を明確にすることが重要です。これにより、実験がスムーズに進行し、正確なデータが得られます。

データ収集と解析

データ収集と解析は、実験の結果を評価するための重要なステップです。

収集するデータは、研究の目的に沿ったものでなければなりません。データ収集後は、適切な解析手法を用いて結果を解釈します。

解析には統計的手法やデータ可視化ツールを活用し、結果を明確に示すことが求められます。正確なデータ解析によって、仮説の検証が行われ、研究の成果が得られます。

関連部門との効果的な会議運営

会議

研究結果の共有

研究職において、研究結果の共有は非常に重要です。

他部門との会議では、研究の進捗や成果をわかりやすく伝えることが求められます。共有する際は、データや結果を具体的に示し、関係者が理解しやすいように説明します。

効果的な情報共有は、部門間の協力を促進し、プロジェクトの成功に繋がります。また、フィードバックを受け入れ、必要に応じて研究計画を見直すことも重要です。

コラボレーションの重要性

研究は多くの場合、複数の部門や専門家と協力して行います。

コラボレーションを通じて、異なる視点や専門知識を持ち寄り、より良い成果を生むことができます。会議では、各部門の役割や貢献を明確にし、効果的なコミュニケーションを心掛けることが重要です。

良好なコラボレーションは、プロジェクトの円滑な進行を支え、より革新的な解決策を生み出す可能性を高めます。

プロジェクトの進行管理

プロジェクトの進行管理は、計画通りに研究を進めるために欠かせません。

進行管理では、プロジェクトのスケジュールやタスクの進捗状況を把握し、遅延や問題が発生した場合には迅速に対応します。会議では、進行状況を報告し、必要なリソースやサポートを確認します。

適切な進行管理により、研究の目標が達成され、プロジェクトが成功裏に終了することが期待されます。

課題と解決策の議論

研究の過程で直面する課題については、関連部門との会議で積極的に議論することが重要です。

課題の特定とその原因の分析を行い、解決策を検討します。議論の際には、具体的な問題点を明示し、実現可能な解決策を提案します。

部門間で協力し合いながら問題解決に取り組むことで、研究の進行をスムーズにし、最良の結果を得ることができます。

ユーザーとの面談によるフィードバックの活用

ユーザーのニーズ把握

ユーザーとの面談では、ユーザーのニーズや期待を正確に把握することが重要です。

面談では、ユーザーが抱える問題や必要としている機能について詳しく聞き出します。ニーズを理解することで、研究や開発の方向性をより適切に設定し、ユーザーにとって価値のある成果を生み出すことができます。

また、ユーザーのフィードバックを活用して、製品やサービスの改善点を見つけることができます。

研究成果のフィードバック

研究成果についてのフィードバックを得ることは、成果の実用性や改善点を把握するために重要です。

ユーザーとの面談では、研究成果が実際にどのように役立つか、またはどのような問題があるかを確認します。

フィードバックをもとに、研究の方向性を調整したり、製品やサービスの改良に繋げることができます。ユーザーからの貴重な意見を取り入れることで、より高い品質の成果を提供できます。

実用化に向けた提案

研究成果を実用化するためには、ユーザーの意見を基に具体的な提案を行うことが重要です。

面談で得た情報をもとに、実用化に向けた具体的なプランを作成し、提案します。このプランには、製品の改良点や新機能の追加などが含まれる場合があります。

また、実用化に向けたプロセスや必要なリソースについても考慮し、現実的な提案を行うことが求められます。

ユーザーとの関係構築

ユーザーとの良好な関係を築くことは、研究成果の成功に繋がります。

面談を通じて信頼関係を構築し、継続的なコミュニケーションを心掛けることが重要です。ユーザーに対して丁寧な対応をし、意見を尊重することで、より良い関係を築くことができます。

また、ユーザーからのフィードバックを定期的に取り入れ、関係を深めることで、長期的なパートナーシップの形成に繋がります。

研究職における安全性と法規制の重要ポイント

実験室での安全対策

実験室での安全対策は、研究活動を行う上で最も重要な要素です。

実験室では、化学物質や機器を使用するため、適切な安全対策を講じる必要があります。具体的には、適切な保護具の着用や、危険物質の取り扱いに関する教育が含まれます。

また、実験室内での事故や問題に備え、緊急時の対応マニュアルを整備し、定期的に訓練を行うことが重要です。

化学物質の取り扱いと管理

化学物質の取り扱いは、研究の安全性を確保するために重要です。

化学物質を扱う際は、取り扱い手順や保管方法を正確に守る必要があります。化学物質のラベルや安全データシート(SDS)を確認し、適切な管理を行います。

また、化学物質の廃棄や処理に関する規則を遵守し、安全で環境に配慮した方法で処理することが求められます。

法規制と遵守事項

研究活動には、多くの法規制が関わります。

これには、化学物質の取り扱いや安全基準、環境保護などが含まれます。法規制を遵守することで、研究の安全性を確保し、社会的な信頼を得ることができます。

また、法規制の変更に対応するため、最新の情報を常にチェックし、必要な手続きを行うことが重要です。遵守事項を守ることで、研究の合法性と倫理性を保つことができます。

緊急時の対応マニュアル

緊急時には迅速かつ適切な対応が求められます。

研究室では、火災や化学物質の漏洩など、さまざまな緊急事態が発生する可能性があります。そのため、緊急時の対応マニュアルを整備し、研究室の全員に周知することが重要です。

マニュアルには、緊急連絡先や対応手順、避難経路などを含め、定期的に訓練を実施しておくことが求められます。

研究成果の特許出願と管理特許出願のプロセス

特許の重要性とメリット

特許は、研究成果や技術の独占的な権利を保護するための手段です。

特許を取得することで、他者による無断使用や模倣を防ぎ、自社の競争優位性を確保することができます。

また、特許はビジネスの価値を高め、投資や提携の際に有利に働くこともあります。特許の取得は、研究成果を商業化する際の重要なステップとなります。

特許調査と書類作成

特許出願には、特許調査と書類作成が不可欠です。

特許調査では、既存の特許や技術文献を調べ、発明が新規であることを確認します。書類作成では、発明の内容を明確にし、特許庁に提出するための書類を準備します。

詳細な説明や図面を含め、専門的な表現を用いることで、特許の取得をスムーズに進めることができます。書類作成の正確さが、特許取得の成功に繋がります。

特許申請後の対応

特許申請後は、特許庁からの問い合わせや審査結果に対応する必要があります。

申請が受理されると、審査が行われるため、追加の情報や修正が求められる場合があります。特許申請後の対応には、審査結果を受け入れ、必要に応じて書類を修正することが含まれます。

また、特許が承認された後も、維持費の支払いなど、特許の管理を行うことが求められます。

まとめ|研究業務の概要をイメージしよう

今回は研究職の日常業務の概要をご説明しました。もう一度まとめを確認しましょう。

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業務項目内容
実験研究職のメイン業務。実験計画の作成、実験の実施、データ解析、報告書のまとめなど、実験だけでなく準備から報告までの一連の業務が求められます。
会議研究部内での実験結果の報告はもちろん、営業部や技術部など関連部署との会議も必要に応じて設定され、目的に応じた報告が必要になります。
ユーザー面談自らが開発・改良したサンプルの評価をユーザーに行っていただくため、ユーザーと面談して提供するサンプルの説明やニーズを聴取し、今後の実験に活かします。
法規/安全事故を起こさないように使用する試薬の安全性の確認や、サンプルを社外に送付する際のSDSの作成や関連法令の確認などを行います。
特許開発したものが他社に模倣されないため、特許を出願して権利を守ります。反対に他社にすでに特許を出願されていないかを確認します。
その他業務に必要な資料作成や各種研修への参加、また与えられた役割の遂行(〇〇委員)など上記に収まらない業務もあります。

皆さんが知らなかった業務や意外な仕事はありましたか?

今後さらにそれぞれの業務に焦点を当てて解説していきます!

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この記事を書いた人

旧帝大にて理学修士を取得後、大手化学メーカーに就職。
約10年研究職に携わる中で、実験だけでなく様々な業務に従事。転職活動も経験。
研究を中心とした仕事に邁進する傍ら、休日はアウトドアを中心に活動中。
意外に謎な研究職について、仕事内容などを広めるべくブログを開設。

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