・研究職ってずっと研究を続けるの?
・どんな部署に行く可能性があるの?
・具体的に研究職がどのようなキャリアを進んでいるのか知りたい!
研究職を志望して入社したものの、いろいろな業務に関わっていくうちに他の部署に興味が出て異動したり、はたまた研究職を貫く人など、会社に入ってからどのようなキャリアを描くかは人それぞれです。
今回は研究職で入社した方々が描くキャリアの可能性についてご紹介します!
研究職のキャリアは幅広い!
研究部門の役割のおさらい
研究部門は新しい知識や技術を創出することに重点を置き、長期的な成果を目指す部門です。
素反応や新技術を見出し、企業の持続的な成長に貢献します。将来的に企業の屋台骨となる大きな花を咲かせるために、企業の種まきをコツコツと行うイメージですね。すぐには結果が出ないこともままあるので、根気が必要です。
化学メーカーにとって”研究”は、他の全ての部門の始まりであり非常に重要な部門、だと私は思っています。様々な部門と連携しながら日々の常務を進めていきます。
なので、キャリアという意味では研究は多くの選択肢があると思います。具体的に見ていきましょう。
研究の経験が活かしやすい部署一覧
会社によって部門や名称は様々ですが、一般的に研究部門と関連性のある部門とその関連度についてまとめました。
部門 | 関連度 |
---|---|
開発 | ★★★★★ |
営業 | ★★★★★ |
生産技術 | ★★★★☆ |
製造 | ★★★☆☆ |
知的財産 | ★★★☆☆ |
部門 | 関連度 |
---|---|
レスポンシブルケア | ★★★☆☆ |
人事 | ★☆☆☆☆ |
広報 | ★☆☆☆☆ |
資材 | ★☆☆☆☆ |
(番外編)海外事業部 | ★★☆☆☆ |
各部門との関連性について詳しく見ていきましょう!
研究と業務で直結する部門
開発部門
開発部門は、研究部門で得られた知識や技術を基に、具体的な製品やプロセスを開発することを目的とし、市場ニーズや顧客の要求に応じて、製品の実用化を目指します。
具体的には、製品の性能向上やコスト削減、安全性の確保、量産化に向けたプロセス設計などが含まれます。開発部門の活動は、短期から中期的な視点で行われ、研究部門で生まれたアイデアを実際のビジネスに結びつける役割を果たします。
また、開発部門は製造部門や営業部門と連携し、市場に出る製品の品質や信頼性を確保するための試作やテストも担当します。
営業部門
営業部門は、企業の製品を市場に提供し、売上を確保する役割を担っています。顧客のニーズを理解し、最適な製品やサービスを提案することで、企業と顧客との関係を構築・維持します。
また、営業部門は市場の動向を把握し、開発部門や製造部門にフィードバックを提供することで、新製品開発や製品改良に貢献します。
化学メーカーでの営業は、ユーザーとの面談において技術者が同席することも多く、技術的な知識を持ち合わせることも重要で、研究とのシナジーがある部門です。
生産技術部門
生産技術部門は、製品を効率的かつ高品質で製造するための技術開発とプロセスの最適化を担当します。
この部門は、製造部門と密接に連携し、製造ラインの設計・改善、設備の導入・保守、製造プロセスの自動化を推進します。また、生産性の向上やコスト削減、安全性の確保を目指して、製造工程の分析や改良を行います。
化学メーカーにおいては、生産技術部門は化学プロセスに関する高度な知識と技術が求められ、研究と製造の橋渡し役を果たし、製品の量産化を成功させるための鍵となる役割を果たします。
製造部門
製造部門は、開発された製品を実際に生産する現場を担っています。
化学メーカーにおける製造部門は、原材料の調達から製造プロセスの管理、品質管理までを行い、安定した製品供給を確保します。製造部門の業務には、機械の操作、製品の検査、工程管理などが含まれ、効率的かつ安全に製造が進められるように、他部門と緊密に連携します。
また、環境への影響を最小限に抑えるための対策や、安全基準の遵守も重要な役割です。製造部門のパフォーマンスが企業の競争力に直結するため、高い技術力と現場管理能力が求められます。
知的財産部門
知的財産部門は、企業の知的財産権(特許、商標、著作権など)を管理・保護し、企業の競争力を高める役割を担います。
新しい化学物質や製品の開発に伴い、多くの発明や技術が生まれます。知的財産部門は、これらの技術を適切に特許として取得し、他社からの侵害を防ぐための活動を行います。また、他社の特許や知的財産権を調査し、自社の事業が侵害しないようにすることも重要です。
さらに、ライセンス契約の交渉や、知的財産を活用したビジネス戦略の策定にも関与します。
レスポンシブルケア部門
レスポンシブルケア部門は、企業の環境保護、安全管理、健康維持に関する活動を推進する部門です。
化学メーカーにおいては、製品のライフサイクル全体にわたって環境負荷を最小限に抑えることが求められます。この部門は、製造プロセスや廃棄物管理における環境対策の強化、従業員の安全衛生管理、製品の安全性に関する基準の遵守を確保します。
また、地域社会とのコミュニケーションを通じて、持続可能な事業活動を目指し、企業の社会的責任(CSR)を果たすための戦略を策定・実行します。
研究と間接的に関係する部門
人事部門
人事部門は、企業の人材管理と労務管理を担当する部門です。専門的な知識やスキルを持つ人材の採用、育成、配置が特に重要です。
人事部門は、採用活動から始まり、従業員の教育・訓練、キャリア開発、評価制度の運用、報酬・福利厚生の管理を行います。また、労働法規の遵守や労使関係の調整、組織文化の形成にも関与します。
研究部門とは直接は関係ないですが、研究職経験者が採用担当となることで、研究視点で研究職に優秀な人財を採用することができます。←これ重要(笑)
企業が持続的に成長するためには、優秀な人材を確保し、従業員が能力を最大限に発揮できる環境を整えることが求められます。
広報部門
広報部門は、企業のブランドイメージを形成し、社外および社内に対するコミュニケーションを管理する役割を担います。
化学メーカーにおいては、製品や技術に関する情報発信、企業の社会的責任(CSR)活動の紹介、危機管理広報などが主要な業務となります。メディア対応やプレスリリースの作成、SNSを通じた情報発信などを通じて、企業の評判や信頼を高める活動を行います。
化学メーカーは基本はBtoBなので消費者が目にすることがあまりないですが、最近はそれでもテレビCMを出している企業も増えてきましたよね。
社内向けには企業イベントの企画・運営や、社内報の発行を行い、社員間のコミュニケーション促進にも貢献します。
資材部
研究では試薬ベースで購入できるものを使用して実験を行っていますが、工業化する際にはかなりの量の原料が必要となります。ですが、そんな量の原料が売っていないこともしばしばです…
製品化の段階が近づいてきてから、「あの原料が購入できない!」となったら、最悪プロジェクトの中止もあり得ます。こんなところでつまづくのは嫌ですよね。
そこで資材部です。資材部門は、製品の製造に必要な原材料や部品、設備などの調達を担当する部門です。
化学メーカーにおいては、原材料の品質や供給の安定性が製品の品質に直結するため、信頼できるサプライヤーの選定や調達コストの管理が重要です。資材部門は、購買活動を行うだけでなく、サプライチェーン全体を管理し、在庫管理や物流の最適化を図ります。
早い段階からメーカーの選定や価格調査などを通してプロジェクトの成功をサポートします。
(番外編)海外事業部
ちょっとレアなケースですが、海外にも拠点がある企業は海外転勤の可能性もあります。
海外にも研究拠点や製造拠点、営業拠点がある場合は研究での経験を活かして、海外の販路拡販を狙います。
日本とは違った環境で海外特有の難しさがあると思いますが、海外経験者は非常にまれなので、その経験は社内でも貴重な人財となります。
まとめ:研究職のキャリアは意外に幅広い!
いかがでしたか?研究職が関連する部門は思ってたよりも多かったのではないでしょうか。研究職は担当する業務も幅広いため、その分キャリアの可能性は広がります。
もし研究職として採用されたけど、キャリアを積んでいくうちに
「研究職はなんか合わないな…」
「他の部署が気になるな~」
「もしかしたら研究職合わないかも」
と思ってきたとしても、希望をすることで異動できる可能性は高いです。
ですので、”研究職として採用されたからずっと研究職しなければならない”ものでもないので自身のキャリアは都度考えながら業務を進めていきましょう!
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